陽はまた昇る(予定)

無名まんが家・いおり真の雑記

5/16 打ち合わせ

GWが明けて初の打ち合わせ。
自分としては結構自信のあるネタをあらかじめ担当に送っていたので、それについての話し合いが主な内容。

結果はボツ。
自分の中で面白いと感じていたポイントが担当にまったく引っかからなかったので、やり直したりもせずそのままお蔵入りすることに決めた。
かなりいけるネタなんじゃないかなと思っていたのでショックは大きい。


自分が面白いと思っていることが、果たして他の人から見ても面白いと感じられる要素があるのか不安で仕方ない。
思いつくものすべてがつまらない気がする。
またまっさらな状態に戻ってしまった。何ヶ月もその場で足踏みを続けているような感覚でもどかしさが募る。


ここのところどん詰まりだが、そろそろなんとかここから浮上していきたい。

描きたいのに何もない

仕事を再開して2ヶ月あまりになるが、まだ何の企画もできてない。
いくつか構想が浮かびはするもののすぐに頓挫してしまい最初からの繰り返し。

自分と同世代の作家さんが次々に連載をスタートさせ、俺なんかより遥かに好調そうなのを見て日々凹む毎日。
せめて何らかのアイディアの種でも俺の頭にあればいいんだが、何もない。

自分が何を描きたいのか?じゃなく
自分には何が描けるのか?で考えてしまいがち。


もともと作品のストックがあって描きたいことが溢れてるようなタイプじゃないので、常に絞り出すような感じだ。


毎回毎回連載企画を考えてる時はこんなもんだ。なんとかギリギリ何かの拍子に思いついたものを形にしていく。
きっと今回も何とかなる。考えてりゃそのうち面白いもんも浮かぶ。浮かびさえすれば気持ち乗せて描けるんだ俺は。

そんな風に言い聞かせながら日々悩む。


俺には面白いまんがを描く力があると信じたい。

プロのまんが家

まんが家としてのプロデビューを『初めて連載がスタートした時』とするなら、たぶん2012年くらいだったと思うので、今年でデビューして十年ほどってことになる。
『初めて掲載された時』で考えるならもうちょい経ってるけど。

ともかく十年くらいはプロのまんが家として活動させてもらって四つの連載作を描いて、電子も含めれば十数冊の単行本を出させてもらっている。ありがたいことだ。


プロのまんが家と書いたが、自分でも果たして自分をプロと名乗っていいのかこの十年悩み続けている。
いつ誰から聞いたか定かじゃないが、単行本発売の際に黒字になる目安は『重版が一度でもかかる』ことだと聞いたことがある(事実かどうかは知らないけど)。

俺はこれまで一度も重版がかかったことはない。
なので出版社は俺の単行本を刊行するたびに赤字を重ね続けていることになる。単行本一冊にあたりどれくらいの費用がかかるのか知らないが、十年ずーっと黒字化できたためしがないと考えると、俺の仕事は商売として成立していないと言われても仕方ないと思う。
俺は底辺だがそれでも毎回数千とか一万数千もの部数を刷ってくれて、その大半が紙クズになっていると思うと心底情けなくなる。

毎回毎回新しい連載を立ち上げるたびに、売れたいとか面白い作品を描きたい気持ちと同じくらい、プロとして最低限利益を出せるものを残すことを目標にしてきた。
でもそれをクリアできたことは一度もない。
こんな体たらくでプロを名乗っていいのか、こんな自分はいつ何時出版社から見切りをつけられても不思議じゃないと、今も戦々恐々としている。

子どもが生まれ、まだ俺はまんが家を続けようとしている。四十路に手が届く歳になってまだ底辺作家でいる俺を家族は応援してくれている。
ありがたいことに一緒に進んでくれる編集さんもいる。


『気持ちだけはプロ』はやめてもう本当に、いい加減にプロとして結果を残したい。

趣味の時間

仕事の時間を少しずつ取れるようになり、打ち合わせも重ねられ、ちょっとずつまんが家っぽくなってきている最近。



とはいえ難しいのが趣味の時間の確保とその内容。

自分の中で割と大事な趣味のひとつだったのがゲームの時間なのだが、これが最近あまり楽しくない。
なんというか集中できない。
PSやPCでがっつり遊べるほどの余裕はなくふと空いた時間にswitchでちゃちゃっと遊ぶくらいなのだが、この遊び方がよくない気がする。無理矢理遊んでいる感。
サイバーパンク2077もエルデンリングも他の大作も楽しみにしててわくわくで買ったのに触りしかプレイできてないし…


反対に、ほんの一時間ばかり筋トレに励んだり、映画を観たり、本やまんがを読んだりするのはとても楽しい。
物事を楽しむ時は短い時間でも熱中しないと駄目ってことなのかな。
近所に道場を見つけたので柔道をまた遊び程度にでも再開してみようか。

スキマ時間の充実を目指したい。

仕事復帰

三月に入ってから徐々に仕事を始めている。
もともと子供が生まれてから育休は3ヶ月くらいと決めていたのと、家事育児のリズムが安定してきたことが大きい。
とはいえまだまだ仕事に割ける時間は少ないが……


描きたいものはあるが、これという決め手がない。
スポーツもの、ヤクザもの、時代もの、育児もの。色々描いてみたいものはある。
自分の根っこは何なのか。自分が一番惹かれるテーマさえ据えられれば、たぶんどんなジャンルでも大丈夫だと思う。まだそこに辿り着けてない感じ。
ようやく仕事を再開したばかりだ。焦ることはないか。

ここ数ヶ月は家事育児に追われてあまりちゃんとインプットの時間も設けられてなかったので、最近は意識的にその時間を作っている。
コロナもあり出掛けるのも憚られるので、ほぼ自宅で映画か読書くらいだけど。
次作の参考にもなるかと時代ものの作品をよく観たりしている。これが面白いものが多い。三船敏郎大忠臣蔵にハマりそうだ。DVDで購入した子連れ狼若山富三郎の殺陣が異次元にカッコよくて痺れた。
あと小学館の学習まんがの日本の歴史を購入して読むことにした。学生時代ろくに勉強してこなかったために歴史はまったく知識がない。いや算数も英語も何もかも駄目だが。

何かしら自分の作品に還元できたらいい。

こどもとまんが

昨年は連載の終了から妻の妊娠、出産と慌ただしく充実した一年だった。怒涛のようだった。
2022年も2月になり我が子も2ヶ月半。ようやく少しずつ落ち着いてきたかなと思う。


連載が終わりその後に一本描いた読切を経て、そこからは育休という名の無職期間に突入した。おかげで家事育児とプライベートではすこぶる充実した時間を持てている。たかだか家族での散歩程度がこんなに楽しいとは思わなかった。
ただ、いかんせんそろそろまんが家として仕事をしたい欲も高まってきた。焦りともいう。


このモラトリアムな数ヶ月間にまた少し描きたいことは変わってきたように思う。昔サンデーの某先生に言われた「きみのまんがにはやさしさが足りない」という指摘に自分なりの解答が得られそうというかそんな感じもあり。

根っこは変わらない。何も変わらない。
地味で熱くて、でももうちょっと人にやさしいまんがを描いてみたいと思うようになった。

描きたかったなぁ

打ち切りが決まって、その後の4話でどんな話を描いてどんな風に終わらせるのかをなんとなくまとめた。

 

「こういう話にしよう」と決めて、改めて協力の来未さんに取材したのだが、これがますます描きたくなるようなエピソードばかり話して下さって、あとたった4話で終わらせないといけないのがもったいなくて仕方ない。

正直、これしっかり読んでくれる人が読んだら結構衝撃を受けるような話になるんじゃなかろうか。相撲まんがとしちゃかなり思い切った話…たぶんこれまで無かっただろう話がたくさん描けると思う。


打ち切りはもう何度目かだけど、今回のは本当に悔しいなぁ。描きたいこと山程あったのに。